錦江町の東部に、古第三紀の日南層群と、それに貫入した大隅花崗岩が分布しています(肝付町参照)。肝付町との境に花崗岩がつくる海抜930メートルの稲尾岳には、日本でも数少ない照葉樹の原生林が広がり、頂上付近にはモミ、ツガなどの針葉樹がみられます。西部には阿多火砕流が台地をつくり、田代の花瀬の滝の上に広がる平坦な一枚岩の河床(花瀬公園)は、阿多火砕流の溶結凝灰岩が形作っています。その台地の縁には、同じ溶結凝灰岩に神川の大滝がかかっています。溶結凝灰岩の下には、阿多火砕流が堆積する前は海だった証拠の、貝化石を多く含む大根占層が分布しています。