中種子町は、西之表市と南種子町に挟まれて、幅が狭く、海岸線が直線的です。これは中種子町の部分が断層に挟まれて落ちているからです。したがって基盤岩である熊毛層群はほとんどみられず、新第三紀以降の地層が分布しています。大陸の縁辺部の浅い海底に堆積した茎永層群大崎層の砂岩は、波によって削られ穿たれて、犬城(いんじょう)海岸の「馬立(また)ての岩屋」、浜田の海岸の「千座(ちくら)の岩屋」の海蝕洞をつくりだし、景勝地になっています。岩屋をつくる砂岩の下位の泥岩から、中新世中期の示準化石である突起を持った巻貝ビカリアがみつかります。