与論島は、東西方向の断層で隆起して露出する、四万十累層群に対比されている立長層の堆積岩の狭い分布地域を除けば、琉球層群の石灰岩に広く覆われています。海岸線は裾礁で縁取られ、最外縁部が切れた東海岸の内側に百合ヶ浜と呼ばれる干潮時に顔を出す白い砂浜があります。その砂のほとんどが星砂から出来ています。星砂の正体は、有孔虫という単細胞動物(原生動物門)のあるグループで、熱帯や亜熱帯の浅い海に棲息しています。殻は炭酸カルシウムでできており、学名(属名)はバキュロジプシナ、バキュロジプシノイデスやカルカリナなどです。水中メガネをつけて潜れば、海藻などの表面に生きた星砂が見つかります。